おばあちゃんが死んだ。
私の祖母が、亡くなった。
急なことだった。
*
祖母は近年になって少し呆け始めていて、
施設に入っていた。
前日まで、特になんともなかったらしいのに。
朝、施設の職員さんが声を掛けに行ったら、
ベッドで横たわって、
呼吸が苦しそうになっていたという。
慌てて救急車で病院に搬送したけど、
病院に着いた頃には、もうすでに
亡くなっていたということだった。
*
人は死ぬとき、
だんだんと食欲が無くなり、
寝ていることが多くなって、
そして直前では
呼吸が自分ではしづらくなって、
苦しそうな呼吸になると何かで読んだけど
今から思えば
祖母はそのドンピシャの感じだった。
そんな急な。
突然の別れに家族みんな愕然とした。
*
大好きな祖母だった。
孫の私を、何かと可愛がってくれた。
干支が同じへび同士で、
「へびはお金に困らんよ」と
小さな私を膝に乗せて言ってた。
おしゃれが好きで、
いつもキレイにしていて、
近所の資生堂のお店に通うのが日課だった。
遊びに行った小学生の私に
要らなくなったアクセサリーをくれたり、
マニキュアを塗ってくれたりした。
広島で若い頃、原爆にあったせいで
原爆症の治療を、家でいつもしていた。
痛そうな注射の最中も、
心配そうに見ていた私と目が合えば
ニッコリと笑顔を返してくれた。
やさしい、思い出ばかり。
思い出すと、心がくしゃっとなる。
「でも、苦しまず、ベッドで死ねるって
理想的よね。」
と母が言ってた。
ほんとね。
おばあちゃんが苦しんだりせずに
逝ったことがなにより。
よかったよね、
うん、よかったって
家族で最後はほっこりした。
私から、最後に祖母に伝えたいのは、
ありがとうと大好き。
ここから、伝わるかな。
♡♡♡